銀行から融資を受ける前に税理士が確認する7つのポイント|融資を申し込む前に準備しておきたいこと

銀行から融資を受ける前に税理士が確認する7つのポイント|融資を申し込む前に準備しておきたいこと
「事業拡大のために銀行から融資を受けたい」
「運転資金が必要になったが、今の決算書で融資を受けられるのか不安」
「銀行に何を説明すればいいのか分からない」
高松市や香川県内の中小企業の経営者様から、こうした融資に関するご相談をいただくことがあります。
銀行から融資を受ける場合、重要なのは「とりあえず銀行に申し込んでみる」ことではありません。
融資を申し込む前に、
現在の会社の財務状況
これまでの借入と返済状況
今回なぜ資金が必要なのか
借りたお金をどう使うのか
今後どうやって返済していくのか
を整理しておくことが重要です。
特に、融資の相談を受ける税理士としては、銀行に資料を提出する前に「金融機関から見たときに、どこが問題になりそうか」を確認しておきたいところです。
今回は、銀行融資を申し込む前に税理士が確認しておきたい7つのポイントを解説します。
1.決算書・試算表の数字に問題がないか
まず確認したいのが、現在の財務状況です。
銀行に融資を申し込む場合、当然ながら決算書や試算表などの財務資料を提出することになります。
そのため、まずは、
売上高
営業利益
経常利益
当期純利益
現預金
売掛金
棚卸資産
借入金
純資産
などの数字を確認します。
さらに、前年と比較して、
「なぜ売上が増えたのか」
「なぜ利益が減ったのか」
「なぜ売掛金が増えているのか」
「なぜ借入金が増えているのか」
といった変化について、経営者自身が説明できる状態にしておくことが重要です。
数字そのものだけではなく、その数字になった理由を説明できることがポイントです。
2.利益だけでなく「借入金の返済」を確認する
「黒字だから融資を受けられる」と単純に考えることはできません。
重要なのは、
利益を出した後、借入金を返済しても資金が残るのか
という点です。
例えば、
当期純利益:500万円
減価償却費:200万円
年間借入元本返済額:600万円
だった場合、
500万円+200万円=700万円
なので、単純化すれば年間の元本返済600万円を上回っています。
一方で、
当期純利益:300万円
減価償却費:100万円
年間元本返済額:600万円
であれば、
300万円+100万円=400万円
となり、返済額600万円を下回ります。
この場合、
「利益は出ているのに、なぜ預金残高が減っているのか」
という問題が発生しやすくなります。
したがって、融資前には利益だけを見るのではなく、年間の借入金返済額と手元資金の状況まで確認することが重要です。
3.現在の借入金をすべて整理する
融資を申し込む前には、現在の借入状況を一覧にしておくことをおすすめします。
例えば、
金融機関 | 借入残高 | 月返済額 | 最終返済日 |
|---|---|---|---|
A銀行 | 1,000万円 | 15万円 | 2032年 |
B銀行 | 500万円 | 8万円 | 2030年 |
日本政策金融公庫 | 800万円 | 12万円 | 2033年 |
というように整理します。
ここで重要なのは、借入総額だけを見るのではなく、毎月いくら返済しているのかを確認することです。
例えば借入残高が3,000万円あっても、長期で返済している会社と、短期間で多額の返済をしている会社では資金繰りへの影響が大きく異なります。
融資を検討するときは、
「現在いくら借りているか」+「毎月いくら返しているか」
の両方を確認しましょう。
4.今回の「資金使途」を明確にする
銀行から融資を受ける場合、非常に重要なのが「何のためにお金が必要なのか」です。
例えば、
運転資金
売上増加に伴う仕入資金
外注費の増加
人件費の増加
売掛金回収までのつなぎ資金
設備資金
機械設備の購入
車両購入
店舗改装
新しい事業への設備投資
などです。
単に、
「資金繰りが苦しいので1,000万円借りたい」
ではなく、
「受注が増加したことで材料費と外注費が先行して必要になり、売掛金の回収までに約○か月の資金負担が発生するため、○○万円の運転資金が必要です」
というように、必要額の根拠まで説明できる状態にしておくことが大切です。
5.「なぜ今、融資が必要なのか」を説明できるようにする
融資では、資金使途だけではなく、
「なぜ今このタイミングで借りるのか」
も重要です。
例えば、
「今後売上が増える予定だから」
だけではなく、
既に受注が決まっている
新規取引先が増えた
大型案件を受注した
設備投資を予定している
売上増加に伴って仕入・外注費が増える
など、具体的な事実を整理します。
特に売上が増えている会社の場合、融資の目的が「赤字の穴埋め」なのか「成長に伴う増加運転資金」なのかでは意味が大きく異なります。
だからこそ、融資を申し込む前に、
「今回のお金が必要になった理由」
を数字で説明できるようにしておきます。
6.税金・社会保険料・借入返済などの支払状況を確認する
融資相談の前には、会社の支払状況も確認します。
特に、
法人税
消費税
源泉所得税
住民税
社会保険料
借入金の返済
などについて、滞納や返済遅延がないか確認しておきましょう。
また、税金については「決算時にいくら払うのか」だけではなく、
今後の納税資金を確保できるか
という点も重要です。
融資を受けたことで一時的に資金が増えても、その後に税金の支払いが集中して資金繰りが苦しくなってしまえば意味がありません。
融資前には、今後の納税予定まで含めて資金繰りを確認することが大切です。
7.融資後の資金繰りを確認する
そして最後に確認したいのが、融資を受けた後の資金繰りです。
ここは非常に重要です。
例えば、
「500万円借りられれば安心」
と考えるのではなく、
500万円借りた後、毎月の資金残高がどう推移するのか
を確認します。
そのために、
13週間資金繰り表と12か月資金繰り予定表
を作成します。
例えば、
月 | 月初残高 | 入金 | 支払 | 借入 | 返済 | 月末残高 |
|---|---|---|---|---|---|---|
9月 | 500万円 | 800万円 | ▲750万円 | 500万円 | ▲50万円 | 1,000万円 |
10月 | 1,000万円 | 700万円 | ▲850万円 | 0円 | ▲50万円 | 800万円 |
11月 | 800万円 | 900万円 | ▲950万円 | 0円 | ▲50万円 | 700万円 |
というように、融資を受けた後の現預金残高を予測します。
これを作っておけば、
「融資を受ければ本当に資金繰りは安定するのか」
「追加融資が必要になる可能性はないか」
「いつ頃、手元資金が少なくなるのか」
を事前に確認できます。
融資を申し込む前に「銀行へ出す資料」を整理する
ここまで確認したら、銀行へ提出する資料を整理します。
代表的なものとして、
決算書
勘定科目内訳書
最新の試算表
借入金一覧表
13週間資金繰り表
12か月資金繰り予定表
事業計画書
設備投資の場合は見積書
大型受注がある場合は受注書・契約書等
があります。
ただし、すべての融資で同じ資料が必要になるわけではありません。
融資の種類や金融機関、会社の状況によって必要な資料は異なります。
重要なのは、必要な資料をただ提出することではなく、
「なぜこの融資が必要で、どう返済していくのか」
を資料全体で説明できる状態にすることです。
よくある質問
Q1.赤字決算でも融資を受けられますか?
赤字だからといって、必ず融資を受けられないわけではありません。
重要なのは、
なぜ赤字になったのか
一時的な赤字なのか
今後改善できるのか
今後の資金繰りはどうなるのか
借入後にどう返済していくのか
を説明できることです。
例えば、一時的な設備投資や大型案件のずれ込みなどによる赤字であれば、その事情と今後の改善見込みを整理して説明する必要があります。
逆に、赤字の原因が解消されず、今後も資金不足が続く見込みであれば、融資だけで解決しようとせず、まず事業そのものの改善を検討する必要があります。
Q2.借入金が多い会社でも追加融資を受けられますか?
可能性はあります。
重要なのは借入総額だけではありません。
現在の利益、手元資金、毎月の返済額、資金使途、今後の売上・利益の見込みなどを総合的に確認する必要があります。
特に、
「今までの借入をどう返済してきたか」
と
「今回借りたお金を何に使い、どう返済するのか」
を整理しておくことが重要です。
融資は「申し込んでから考える」のでは遅い
融資を検討するとき、
「とりあえず銀行に相談してみよう」
と考える経営者様もいらっしゃいます。
もちろん、早めに金融機関へ相談すること自体は悪くありません。
しかし、その前に自社の数字を整理しておけば、銀行との話も格段に進めやすくなります。
特に、
「いくら必要なのか」
「なぜ必要なのか」
「何に使うのか」
「借りた後にどう返済するのか」
この4つは、経営者自身が説明できる状態にしておきたいところです。
そして、そのために税理士ができることがあります。
谷口亮輔税理士事務所の融資・資金繰りサポート
谷口亮輔税理士事務所では、決算申告だけではなく、融資を検討する段階から財務面をサポートしています。
融資を申し込む前に、
決算書・試算表を確認
借入金を一覧化
毎月の返済額を確認
資金使途と必要額を整理
13週間・12か月の資金繰りを確認
融資後の資金残高をシミュレーション
金融機関へ説明する資料を整理
という流れで、自社の財務状況を整理します。
必要に応じて、金融機関との面談に同席し、数字の説明をサポートすることも可能です。
高松市・三木町・さぬき市で融資についてお悩みの経営者様へ
「銀行から融資を受けたいけれど、自社の決算書で大丈夫なのか分からない」
「追加融資を受けたいが、今の借入金が多くて不安」
「銀行に提出する資金繰り表や事業計画書をどう作ればいいのか分からない」
このような場合は、融資を申し込んでからではなく、申し込む前に一度自社の財務状況を整理してみてください。
融資は、単に「お金を借りること」ではありません。
借りた後も資金繰りを維持し、無理なく返済できる状態を作ることが重要です。
谷口亮輔税理士事務所では、高松市・三木町・さぬき市を中心に、香川県内の中小企業の資金繰り・融資・財務改善をサポートしています。
「融資を申し込む前に、自社の数字を一度確認したい」
という経営者様は、お気軽にご相談ください。