黒字なのに資金ショートする会社の共通点とは?

黒字なのに資金ショートする会社の共通点とは?
「決算書では利益が出ているのに、なぜか預金残高が増えない」
「毎月黒字なのに、給料や支払いの時期になると資金繰りが苦しくなる」
「売上も増えているのに、以前よりお金が残らなくなった」
高松市・三木町・さぬき市をはじめ、香川県内の中小企業の経営者から、こうしたご相談をいただくことがあります。
実は、「利益が出ていること」と「会社にお金が残っていること」は同じではありません。
帳簿上は黒字でも、支払いに必要な現金が足りなくなれば、会社は事業を続けることができません。
いわゆる「黒字倒産」と呼ばれる状態です。
では、なぜ黒字なのに資金ショートしてしまうのでしょうか。
今回は、黒字なのに資金繰りが苦しくなりやすい会社に共通する4つのポイントを、税理士の視点から分かりやすく解説します。
黒字なのに資金ショートする会社の4つの共通点
1.売上は増えているのに、入金より支払いが先になっている
まず確認したいのが、売上がいつ入金され、仕入・外注費・人件費などをいつ支払っているかです。
例えば、
売上は工事完了後、2か月後に入金
材料代は翌月支払い
外注費も翌月支払い
従業員の給与は毎月支払い
という会社の場合、売上が帳簿上発生していても、その売上代金が入金されるまでには時間があります。
その間も、会社は材料代や外注費、給与などを支払わなければなりません。
つまり、「利益は計上されているけれど、その利益がまだ現金になっていない」
という状態が起こります。
特に、建設業・製造業・卸売業など、売上の回収までに時間がかかる事業では注意が必要です。
ここで見るべきなのは「売上」ではなく「入金予定」です。
「今月いくら売れたか」だけではなく、「その売上代金は、いつ口座に入ってくるのか」まで確認する必要があります。
2.売上が急激に伸びている
意外に思われるかもしれませんが、売上が急激に増えている会社も資金ショートに注意が必要です。
「売上が増えれば、お金も増える」とは限りません。
例えば、これまで月商1,000万円だった会社が、受注が増えて月商2,000万円になったとします。
売上が2倍になれば、
材料費
外注費
人件費
運送費
その他の経費
なども増える可能性があります。
しかも、売上代金が2か月後に入金されるのであれば、売上が入金される前に、その売上を作るためのお金を先に支払わなければなりません。
これが「増加運転資金」の問題です。
つまり、売上が増えている会社ほど、一時的に多くのお金が必要になることがある
ということです。
売上が好調だからと安心するのではなく、「売上が増えたことで、これから何円の支払いが増えるのか」まで確認することが重要です。
3.在庫や設備にお金が変わっている
「預金が減った=利益がなくなった」とは限りません。
会社のお金が、別の形に変わっている場合があります。
例えば、
商品を大量に仕入れた
材料を多く抱えている
未成工事支出金が増えている
新しい車両を購入した
建設機械を購入した
店舗や事業所の設備を増やした
といったケースです。
例えば300万円の車両を現金で購入した場合、口座からは300万円が出ていきます。
一方で、会計上は購入した年に300万円全額が経費になるとは限りません。
減価償却によって、複数年にわたって費用化されることがあります。
そのため、「利益は出ているのに、預金は300万円減っている」
ということが起こります。
これは「利益が消えた」というより、会社のお金が車両や設備という資産に変わったと考えると分かりやすいでしょう。
在庫についても同じです。
売れていない商品や材料は、まだ費用として計上されない一方で、仕入れた時点では会社からお金が出ています。
そのため、在庫が増えすぎている会社は、利益だけではなく、在庫にどれだけお金が固定化されているかを見る必要があります。
4.利益に対して借入金の返済額が大きい
もう一つ重要なのが、借入金の元本返済です。
ここは決算書を見るときに特に注意したいポイントです。
銀行から1,000万円を借りて、毎月返済している場合、
借入金の利息 → 経費になる
借入金の元本 → 経費にならない
という違いがあります。
例えば、年間500万円の利益が出ている会社でも、年間の借入金元本返済額が700万円なら、「利益500万円-元本返済700万円=200万円」という単純な意味ではありませんが、少なくとも利益だけでは元本返済を賄えない状態になっています。
その不足分は、会社がもともと持っていた現預金などから支払うことになります。
これが続けば、黒字でも預金残高は少しずつ減っていきます。
したがって、借入金がある会社では、「いくら利益が出ているか」だけではなく、「毎月いくら元本を返済しているか」を見ることが重要です。
「黒字なのにお金がない」とき、まず何を見る?
では、実際に会社の資金繰りが苦しいとき、何を確認すればよいのでしょうか。
まず確認したいのは、次の4つです。
① 現在の預金残高
まずは、現在いくらお金があるのか。
複数の銀行口座がある場合は、会社全体の預金残高を確認します。
② 今後の入金予定
売掛金などについて、「いつ、いくら入ってくるのか」を確認します。
③ 今後の支払予定
給与、仕入、外注費、税金、社会保険料、借入金返済など、「いつ、いくら出ていくのか」を確認します。
④ 3か月後・6か月後の預金残高
そして最も重要なのが、「このままいったら、数か月後にいくらお金が残っているのか」です。
現在1000万円あるから安心、とは限りません。
今後の支払いが大きければ、数か月後には資金が不足する可能性があります。
だからこそ、現在の残高だけではなく、未来の残高を見る必要があります。
資金ショートを防ぐためにできること
資金ショートを防ぐためには、単純に「もっと売上を増やそう」と考えるだけでは不十分です。
次の3つを確認してみてください。
1.入金と支払いのタイミングを整理する
「売上はいくらあるか」ではなく、「いつ入金されるか」を確認します。
必要に応じて、取引先との回収条件や支払条件を見直すことも検討します。
2.13週間の資金繰りを確認する
資金繰りが心配な会社では、月単位だけではなく、13週間程度の資金繰りを週単位で確認する方法が有効です。
例えば、
来週の給与支払い
再来週の外注費
来月の税金
2か月後の大型入金
3か月後の設備投資
などを並べていきます。
そうすると、「今は大丈夫だけど、2か月後に資金が足りなくなる」といった問題を早い段階で発見できます。
3.融資が必要なら「お金がなくなる前」に相談する
資金繰りが厳しくなってから融資を申し込むより、資金が不足する可能性が分かった段階で金融機関へ相談する方が、対応の選択肢を持ちやすくなります。
例えば、
売上増加による運転資金
設備投資資金
手元資金を厚くするための運転資金
既存借入の返済負担を見直すための借換
など、資金が必要になった理由によって相談内容も変わります。
重要なのは、「いくら借りたいです」だけではなく、「なぜ必要なのか」「いつ必要なのか」「どう返済するのか」を説明できる状態にしておくことです。
黒字だから安心、とは限りません
会社経営では、利益が出ていることは非常に重要です。
しかし、それだけでは十分ではありません。
利益が出ていても、
売上代金の入金が遅い
売上が急激に増えている
在庫が増えている
設備投資をしている
借入金の返済負担が大きい
といった事情が重なると、預金残高が減っていくことがあります。
だからこそ経営者が見るべきなのは、「今、いくら利益が出ているか」だけではなく、「この先、会社にいくらお金が残るのか」です。
谷口亮輔税理士事務所の資金繰り・財務サポート
谷口亮輔税理士事務所では、決算書や申告書を作成するだけでなく、会社の資金繰りを経営者と一緒に確認することを重視しています。
現在の現預金残高
売掛金・買掛金
借入金と毎月の返済額
今後の入金予定
今後の支払予定
設備投資や採用などの予定
を整理し、「今の会社にお金は足りているのか」「いつ頃、資金が不足する可能性があるのか」「融資が必要なら、いつ・いくら必要なのか」を確認します。
必要に応じて、金融機関に説明するための資金繰り表や財務資料の準備についてもサポートします。
高松市・三木町・さぬき市で資金繰りにお悩みの経営者様へ
「黒字なのに、なぜか預金が増えない」
「売上は増えているのに、資金繰りが苦しい」
「借入金を返済していると、手元のお金がどんどん減っていく」
このような場合、決算書の利益だけを見ていても原因が分からないことがあります。
まずは、現在のお金 → これから入ってくるお金 → これから出ていくお金を整理してみてください。
資金が不足してからではなく、「少し不安だ」と感じた段階で資金繰りを確認することが大切です。
高松市・三木町・さぬき市を中心に、香川県内の中小企業の資金繰り・融資・財務についてご相談をお受けしています。
「利益は出ているのに、お金が残らない」
そう感じている経営者様は、一度、現在の資金繰りを一緒に確認してみませんか。