借入金が多い会社でも追加融資は受けられる?税理士が見る4つのポイント

借入金が多い会社でも追加融資は受けられる?税理士が見る4つのポイント
「すでに銀行からの借入がかなり増えている」
「今の借入を返済しながら、追加で融資を受けることはできるのだろうか」
「銀行に融資をお願いしたいけれど、借入金が多いので断られないか心配」
高松市や香川県内の中小企業の経営者様から、このようなご相談を受けることがあります。
結論からいうと、借入金が多いという理由だけで、追加融資を受けられないとは限りません。
金融機関が確認するのは、借入金の総額だけではありません。
重要なのは、
現在の借入金をどのように返済しているのか
本業でどれだけキャッシュを生み出しているのか
今回なぜ資金が必要なのか
融資を受けた後、どのように返済していくのか
といった点です。
つまり、「いくら借りているか」だけではなく、「なぜ借りるのか」「どう返すのか」
を説明できることが重要です。
今回は、借入金が多い会社が追加融資を検討するときに確認しておきたい4つのポイントを、税理士の視点から解説します。
1.まず「借入金の総額」だけで判断しない
借入金が3,000万円ある会社と聞くと、「借りすぎではないか」と感じるかもしれません。しかし、借入金3,000万円という数字だけでは、その会社の返済能力は判断できません。
例えば、
A社
年間売上:1億円
利益:800万円
手元資金:2,000万円
借入金:3,000万円
という会社と、
B社
年間売上:3,000万円
利益:ほぼゼロ
手元資金:100万円
借入金:3,000万円
では、同じ「借入金3,000万円」でも財務状況は大きく異なります。
そのため、追加融資を考えるときには、借入金の金額だけを見るのではなく、
「借入金に対して、会社がどれだけ返済する力を持っているのか」
を確認する必要があります。
2.本業で借入金を返済できているか確認する
追加融資を考えるうえで重要なのが、本業からどれだけキャッシュを生み出しているかです。
ここでは、例えば、
利益 + 減価償却費
などをベースに、年間の借入金元本返済額とのバランスを確認します。
例えば、
利益:500万円
減価償却費:200万円
年間元本返済額:600万円
であれば、
500万円+200万円-600万円=100万円
となります。
もちろん、実際のキャッシュフローには売掛金・在庫・買掛金などの増減も影響するため、これだけで返済能力を判断することはできません。
しかし、
「本業で生み出しているキャッシュに対して、年間の返済額が大きすぎないか」
を確認することは重要です。
金融機関との融資相談でも、現在の返済状況と今後の返済可能性を説明できるようにしておきましょう。
3.「なぜ今、追加融資が必要なのか」を明確にする
借入金が多い会社ほど、今回の融資の資金使途が重要になります。
例えば、
増加運転資金
「大型案件を受注したため、材料費や外注費の支払いが先行する」
設備資金
「生産能力を高めるため、新しい機械を導入する」
新規事業
「新店舗を出店するため、設備資金と開業後の運転資金が必要」
このように、
「何に使うために、いくら必要なのか」
を具体的に説明できることが重要です。
逆に、「とりあえず口座のお金を増やしておきたい」「なんとなく資金が足りない」
という説明では、必要資金の根拠が伝わりません。
融資を申し込む前に、資金使途 → 必要金額 → 支払時期 → 回収時期 → 返済方法
まで整理しておきましょう。
4.融資後の資金繰りを説明できるようにする
借入金が多い会社ほど、「融資を受けた後にどうなるのか」を数字で示すことが重要です。
ここで役立つのが資金繰り表です。
例えば12か月の資金繰り表を作成し、
売上入金
給料
外注費
仕入
税金
社会保険料
設備投資
借入金返済
新規融資
などを反映します。
すると、「追加融資を受けると手元資金がいくらになるのか」「その後、毎月の返済を行っても資金が回るのか」「何月に資金が不足する可能性があるのか」
が見えてきます。
特に重要なのは、融資を受けた直後の残高だけを見るのではなく、その後の資金繰りまで確認することです。
借入金が多い会社が融資相談前に整理しておきたい資料
追加融資を検討しているのであれば、最低限、次の資料を整理しておくことをおすすめします。
① 借入金一覧表
金融機関ごとに、
借入残高
借入日
借入額
金利
毎月の返済額
最終返済期限
保証協会付きかどうか
などを整理します。
② 最新の試算表
決算書だけではなく、直近の月次試算表を準備します。
金融機関に現在の業績を説明するためにも重要です。
③ 12か月資金繰り表
今後の入出金と借入返済を整理し、
「追加融資を受けた場合に資金がどう動くのか」
を確認します。
④ 資金使途を説明する資料
設備投資なら、
見積書
発注書
契約書
など。
増加運転資金なら、
受注状況
売上計画
入金予定
仕入・外注費の支払予定
などを整理します。
「借入金が多いから借りられない」と考えるのは早い
借入金が多い会社が追加融資を検討するとき、最も避けたいのは、「借金が多いから、もう銀行には相談できない」と考えてしまうことです。
むしろ重要なのは、資金が足りなくなる直前まで相談を先送りしないことです。
例えば、「3か月後に資金が不足する可能性がある」と分かった段階なら、
追加融資
借換
返済条件の見直し
資金使途の整理
支払条件・回収条件の見直し
など、複数の選択肢を検討できます。
反対に、口座残高がほとんどなくなってから相談すると、選択肢が限られてしまいます。
追加融資を考えるなら、まず「現在地」を確認する
追加融資を受ける前に、まず次の4つを確認してみてください。
CHECK 1
現在の借入金はいくらあるか
CHECK 2
毎月いくら元本を返済しているか
CHECK 3
本業でどれだけキャッシュを生み出しているか
CHECK 4
このままいった場合、3か月後・6か月後・12か月後の現預金はいくらになるか
この4つを整理すると、「本当に追加融資が必要なのか」「いくら必要なのか」「どのタイミングで相談すべきなのか」が見えてきます。
谷口亮輔税理士事務所の融資・資金繰りサポート
谷口亮輔税理士事務所では、決算・申告だけでなく、融資を受けるための財務資料の整理や資金繰りの確認もサポートしています。
例えば、
借入金一覧表の作成
最新試算表の確認
13週間資金繰り表の作成
12か月資金繰り予測
追加融資の必要額の整理
資金使途の整理
事業計画・返済計画の作成
金融機関への説明資料の準備
などです。
大切なのは、単に「銀行からお金を借りること」ではありません。
借りた後も資金が回り、無理なく返済できる状態を作ることです。
高松市・三木町・さぬき市で追加融資をご検討の経営者様へ
「すでに借入金が多いので、追加融資は無理だと思っている」
「銀行に相談したいけれど、何を説明すればいいのか分からない」
「借入金の返済が重く、今後の資金繰りが心配」
このような場合は、まず現在の借入金と資金繰りを整理してみてください。
借入金の多さだけで、追加融資の可能性を判断することはできません。
現在の業績、手元資金、返済状況、資金使途、今後の資金繰りを整理したうえで、金融機関に「なぜ必要なのか」「どう返済するのか」を説明できる状態にすることが重要です。
資金が足りなくなってからではなく、資金が不足する前にご相談ください。